丹沢 葛葉川本谷 2026.7.17

じっとりとへばりつくような暑さの中、向かったのは丹沢の葛葉川本谷だ。

 

何日も前からパッとしない天気予報にしょぼくれて、溜め息をついていたのだが「多少の雨ならば大丈夫だろう」という事、また、Wさんは以前この沢を遡行した事があり、面白い沢だから二人で行ってみよう!となったのだった。

 

 

沢の雰囲気は、この間遡行した鬼石沢とは異なって、沢幅が狭く木が覆い被さってくるように生えており、岩石の明度が低い為、どことなく全体的に暗く感じる。更に水量も鬼石沢よりも多く、足元に水の抵抗を感じながらジャボンジャボンと進んで行った。

(この谷は何岩で形成されているんだろう?)

 

 

 

入渓してすぐに小滝が現れる。

最初は下半身まで浸かるのを躊躇していたが、一度ドプンと浸かってしまえば、もう気にする事はない。どんどん水を浴びながら滝を登って行った。

 

 

心配していた沢靴(ラバー)のグリップも問題なし。

岩が黒く苔も生えている場所もあったので少し不安だったが、ロープなしで登れる小滝が幾つもあって、段々楽しくなってきた。

 

また、「滝の流れ(しぶきの形)が飛び出している所には出っ張りがある」というアドバイスをWさんにもらい、試しに滝に足を突っ込んでみると、しっかりした足場が隠れていた。

あまりにも水量が多い時は無理かもしれないが、水を避けてよくわからない岩に足を乗せるよりも身体を安定させられるので、これはまた一つ良い事を知った。

 

 

入渓した時は晴れ間が見えていたのだが、徐々に曇ってきた。薄暗い中を進む。

 

滝上部

 

 

段になっている滝 形がかっこいい

 

 

 

大きい滝までやってきた。

Wさんが先に登っている様子を見ていたのだが、右肩も万全ではないし、これは私には無理じゃないか…?と不安に思い、右から巻く。

 

 

 

その後も良い感じの小滝が続く。

滝の近くまで行っていざ取り付いてみると、水の勢いが強く「うひゃー!」となるが、ここに来るまでに雨と水流で全身濡れているので、気にせずに登った。

 

 

10時半頃からは更に雨足が強くなって来た。木の下で休憩している時に隙間から空を見上げると、それはもう大雨ではなく豪雨であった。

 

 

 

谷の幅が広がったおかげで、少し明るくなったが、雨は依然として強く降り続いている。

 

10:49

 

 

10:56

 

このあたりでWさんが大きなカエルを発見したのだが、二人でカメラを構えた途端、カエルは岩の隙間に潜ってしまった。残念…。

 

 

そして、11時。板立ノ滝に着く少し前から水の色が変化し始める。

最初は薄茶色だった水も、数分の間にどんどん濃くなっていく。これはまずいという事で水流からは離れつつ巻いて行った。

 

11:04

 

 

11:08

 

 

11:09

 

顔は笑っているけれど必死…。そして目の前に現れた滝は、もう滝の姿ではなくなっていた。

 

コーヒー牛乳より濃い…

 

 

 

この先の大平橋の近くの滝は焦茶色の濁流と化し、二人ともその姿を見て呆然としてしまった。

これ以上進むのは危険なので、上に見えている林道へ脱出を開始。

 

しかしこの斜面がグズグズで、足置きが悪いとズルッと滑る。トラバースしつつ、上の林道へ登って行きたいのに滑ってしまって踏ん張れない。

もしかしたら、ちょっと先にある木を掴んだ瞬間に足が滑って、また肩が抜けるんじゃないか…などと不安が襲ってきて、片膝をついた状態で動けなくなってしまった。

 

既に林道のガードレール付近にいたWさんにロープで引っ張ってもらい、四つん這いになりながらアスファルトの地面に着いた時は、とても安心した。

(この斜面が全行程の中で、一番怖かった…)

 

 

泥々四足歩行の私が林道に上がる直前、目の前にサワガニがやってきた。

山で可愛い生き物に会えるとテンションが上がるので、「サ、サワガニだ……」と声が出た。こんな状況でもやはり嬉しい。

 

残念ながら、そのサワガニはすぐに何処かへ行ってしまったのだが、その後何匹もサワガニがテコテコ歩いていて、とても嬉しかった。

 

捕まえたぞ

 

 

 

カニに満足した後、歩きながら何気なくグローブを外すと、右手首にヒルがくっついてチューチューと私の血を吸っているではないか!

 

「ギャー!!ヒルだー!」

 

持っていた虫除けスプレーをこれでもかと吹きかけると、ヒルは悶え苦しみながらボロンと地面に落ち、さっきまで吸っていた私の血を吐き出しながら、グネグネと苦しんでいる。

そして、このヒルにとどめを刺すべく、落ちていた石でコンニャロー!と叩き潰していると、Wさんが悲しそうな顔でこちらを見ていた。

「そこまでしなくても…」と少しヒルに同情していたが、私は問答無用でヒルの息の根を止めたのだった。

 

 

 

 

それからは、ヒルのせいでずっと流血している右手首を携えながら尾根を下って、葛葉の泉に到着したのは13時過ぎ。

 

雨がまた強まる中、着替えていると、服や靴の中から大量のヒルが出てきた。

下山途中、地面に沢山うごめいていたので、きっとそれが入り込んでしまったのだろう。「絶対に家には持ち帰りたくない!」と二人とも必死で駆除したのだが、帰宅して沢靴を入れたビニール袋の中には5、6匹のヒルがいたのだった…。(結局、合計7ヶ所吸われていた)

 

 

 

予報が変わって途中から豪雨での遡行、全身泥々ぐちゃぐちゃで大量のヒルにやられたりもしたが、貴重な経験が出来た。

そして何よりとても楽しかった。

 

でも、今度行く時は晴れの日がいいな〜