龍王岳-浄土山縦走 2026.4.20

4/20(月)

 

 

扇沢から室堂へ向かうのは6年振りだ。

 

電気バスに乗り込むと、どこからともなく甘い出汁の香りがしてきた。隣に目をやると大先輩のTさんが素手でお稲荷さんをほうばっているではないか。

 

「朝、食べてないんですか?」と聞くと、「腹が減ってしょうがねぇ」と返ってきた。

その後もバクバクとお稲荷さんを食べ続けるTさん。食欲があるのはいい事である。

  

はじまりはお稲荷さん

 

 

ケーブルカーなどを乗り継ぎ、室堂ターミナルに着いたのは9時頃だった。

本日泊まる室堂山荘に荷物をデポし、東尾根組と一般ルート組に分かれて出発した。(私は一般ルート組)

 

 

まずは、一ノ越まで

 

天気予報では晴れ時々曇りだったが、実際に登り始めるとものすごい晴れてきて暑いくらいであった。気温も高かったようだ。

 

 

数年間ずっと仕舞われていたアイゼンも、ここ最近は引っ張り出されて嬉しそうである。

 

 

一ノ越にて大休止。行動食を食べて、いよいよ龍王岳へ向かう。

思っていたよりも雪が少ないらしく、所々に岩やハイマツが露出している。また、暑さで雪が溶けてここからは踏み抜き地獄が始まった。

 

 

龍王岳の直下まで到着してみると、こ、ここを登るのか?!とかなりビビっていたのだが、いざ取り付いてみると意外と登る事が出来た。

 

しかしまだ、アイゼンを付けて岩場を登るのに慣れていない為、前を行く先輩方の歩き方や足置きを良く見ながら歩を進めて行った。

体力もそうだが、身体の使い方やバランスの取り方が下手なので、こうやって少しずつ実践して学んでいく事が大事なんだなと実感した。

 

雄山の高さに段々と近付いてきた

 

 

登っていくと、どんどん眺めが良くなってきてシャッターを押す手が止まらない。

そうこうしているうちに、上から「はーい!山頂でーす!」と、リーダーのSさんの明るい声がした。

 

「やったー!」と嬉しい気分で、ゴロゴロした岩場の先端へと向かう。

てっぺんからは雪をかぶった北アルプスの山々が一望でき、夏山とは違う白く美しい山々に感激してしまった。

山頂では皆でワイワイと写真を取り合い、素晴らしい景色と楽しいひと時を堪能した。

 

山!

 

 

山頂からの眺めが素晴らしかった

 

 

帰宅してから描いた水彩画   「龍王岳を見上げて」

 

下山は浄土山経由。

先ほどまでとは違い、ゆったりとした稜線だ。晴れているし広くてなだらかで最高だ。

前を行くのは山の先輩方

 

 

  

 

 

いい気分で進んでいたのも束の間、観測所を通過し浄土山を過ぎた後、一気に天候が変化してホワイトアウトしてしまった。あれだけ鮮明に見えていた周辺の景色も今では真っ白である。

 

Sさんが方角を確認しながら進んでいく。しかし途中からバリエーションルートに突入し、下山は緊張感が漂う道が続いたのだった…。

(写真を撮っている余裕は全くなかった)

 急斜面はグサグサの雪だ。

「絶対にコケたくない!!コケないぞ!!」という強い気持ちを持って、前を行く先輩方が踏み固めた下方に恐る恐る足を置く。

 

 

雪の急斜面が終わると今度は浮石ゴロゴロゾーンが現れた。浮石だらけで岩に体は預けられないし、少し触れると「カコ……」と動く音がするので、出来るだけ安定している岩や地面を探しながら一人ずつ、ゆっくり降りた。

 

 

怖かったのはこの二箇所だけだったが、小心者の私は終始緊張し、無事に緩やかな雪面に降り立った時は心の底からホッとした。

しっかり山をやっている人からすれば、そんな大袈裟な…と思うかもしれないが、縦走メインで一般登山道(夏道)しか歩いていなかった人間からすると、「とんでもない所に来てしまった…」とずっと思っていたのだった。

 

 

山荘に帰ってきてからはのんびりと過ごす。

皆さんが楽しそうに酒盛りをしている中、「今回の山行で少しでも経験値が上がっていればいいなぁ…」と、そんな事をぼんやりと考えていた。

 

そういえばこの時、コーラを10年振りくらいに飲んだのだが、疲れた身体に染み渡り、目がパァンと見開くほど美味しかった。

…コーラってこんなに美味しかったっけ?

 

 

4/21(火)

 

 

夜から朝方までは雨とみぞれ。

2日目も天気が良ければ山に登る予定だったが、あまり芳しくはなかった為、早々に下山した。

下山していくにつれて晴れていく天気

 

 

 

麓の町は春真っ盛りだ。

 

その後は皆で松本観光をしたり美味しいお蕎麦を食べたりしたのだが、何処へ行っても面白く、大体笑っていた。

一人で山に行っていた時は下山、温泉、即帰宅だったので、こうやって一緒に楽しめる山の仲間や先輩がいるっていいもんだ…としみじみ思うのであった。