北アルプス 晩秋の燕岳 2021.10.7-8

今年の夏は長雨が続き、夏の長期山行計画を大幅に変更せざるを得なかった。その後も大きな台風が3つもやってきては計画を薙ぎ倒して行く。

 

北アルプスが冬になってしまう前に急がねばならない。

制作の進み具合と天気の折り合いをつけて、なんとか予定を立てる事が出来た。

 

 

 

 

【コースタイム】

10/7  

中房温泉 6:09 - 第一ベンチ 6:53 - 第二ベンチ 7:26 - 富士見ベンチ 8:54 - 合戦小屋 9:45着 10:02発- 燕山荘 11:45 - 休憩 - 燕岳山頂 12:57

 

10/8

燕山荘 6:40 - 合戦小屋 7:29 - 富士見ベンチ 8:02 - 第一ベンチ 9:38 - 中房温泉 10:10

 

 

登り始めの森を歩いていると、クリーム色に黄緑を足したようなレモンイエローを薄めたような、寒色の黄色の葉が目に飛び込んできた。

何度も鮮やかに山の木々が色付いているのを見てはいるが、今まで見た葉の色で一番綺麗な色だ。

 

これは暖色の黄

 

冷え込みが厳しい地域の紅葉は鮮やかだ。

 

 

鳳凰三山と同じように、花崗岩の登山道は少しずつ削られているようだ。ホロホロとこぼれ落ちた石のかけらの間を抜けていく。

 

 

今日は本当にいい天気だ。風が吹けば涼しくて、日向にいれば暖かい。日差しが柔らかで秋の晴れた日は気持ちがいいものである。

 

 

森の隙間から稜線が見えると、やる気が湧いてくるから不思議である。合戦小屋まであと5分の看板に元気をもらい、歩を進めた。

 

 

合戦小屋で休憩し、再び山頂を目指す。振り返ると眼下には山の稜線と雲海が広がっていた。

 

 

見上げれば青空。鮮やかな赤い実と黄色の葉が良く似合う。赤い実はナナカマドだろうか。

 

 

森林限界を抜けた頃、山荘が見えてきた。見えてからが長いのは山ではお決まりの事だ。

噂によると小屋まで行けばケーキが食べられるらしい。これは行かねばならぬと自分に喝を入れて進む。

 

 

見晴らしがいいので写真を撮ったりしていると、下山してきた人が「もうちょっとよ〜!ファイト!」と笑顔で励ましてくれる。

後ろから追い抜きざまに「今日はどちらまで?お互い頑張りましょう」と声をかけてもくれる。

単独で行っているからかもしれないが、山を好きな者同士のたわいもない会話はとてもいいものだ。

 

年齢や役職などから解放され、お互い「ただの山好きな登山者」であるこのやりとりが、下界にも取り入れられれば平和になのにと、そんな事を思った。

何より一番敬うべきは、人ではなく登っている山なのだ。

 

 

山肌に目をやると枯れた草の葉、ハイマツ、赤い紅葉した葉がうねった波のようだ。白い木の幹から伸びた枝がとても綺麗。

 

 

山荘で受付をし、少し休憩してから山頂へ向かう。

 

 

燕岳と言えばこの構図、という場所に立った。

紅葉は終わりかけだが白い岩肌とハイマツの緑、少し渋めの葉の色づきが印象的だ。これは夏にも登って緑と白の稜線を見なければならない。

きっとそれも別の魅力があるに違いない。

 

樹林帯が谷底に向かって落ちていく風景が好きで、よく撮ってしまう。丹沢山地とは違い、尾根の角度が急峻だ。

 

 

じゃりじゃりとした道を歩いているとイルカ岩が出てきた。

噂には聞いていたが本当にイルカの形をしているとは思わなかった。ここまで風化するのに一体どれくらいの年月がかかったのだろう。

 

 

切り立った大岩の隙間に何か薄いものをスッと差し込みたい。

 

ロケットみたいな岩!でもちょっと鋭利すぎる

 

 

山頂は想像していたよりも遠かった。山荘付近からのあの構図に見慣れているせいか体感ではそう感じた。

 

 

山荘から歩いてきた道を見ると、不思議な形の巨石群がそそり立ちなんだかこちらを見ているような気がしてきた。

山全体が生き物で、地表は生物覆い尽くされているのだから、大きな岩にも何か意識があるのでは?と考えてみる。

その方がなんだかワクワクするじゃあないか。

 

同じリズムを繰り返すシャクナゲの葉。クルクルと回りそうだけど回らない。

 

 

鋭利な岩の門を抜けて、ここを登れば山頂だ。もう一踏ん張り。

 

 

ヤスリで削ったように丸い先端。尖ったり丸くなったり忙しい山である。

 

 

狭い山頂には数人の人がいた。交互に記念撮影をしながら言葉を交わす和やかなひとときだった。

 

 

 

二日目の朝はゆっくり起床。

 

日の出を見る為にみんな外に出て来ている。太陽が上がってくると歓声が上がって、あたり一面オレンジ色になった。

北アルプスはまた来年。

今年の高山はこの山行で終わりだ。槍ヶ岳に挨拶をしてから山を下りた。