北アルプス 夏の終わり 双六岳へ 2021.8.27-29 

遠くに双六小屋が見える。

 

以前、この風景を見たのは4年前だ。

3泊4日で折立から雲ノ平縦走の最終日の早朝、振り返って写真を撮り、午後からの雷雨予報から逃げるように下山した。

 

4年越しに見る風景は青すぎるくらいに晴れていて、とても暑かった。

 

 

【コースタイム】

 

8/27 新穂高温泉 7:01 - わさび平 8:19 - 秩父沢 10:02 - 鏡平 13:00 - 弓折乗越 14:54 - 双六小屋16:15

 

8/28 双六小屋 5:09 - 双六岳 6:03 - 双六小屋 7:00 発8:10 - 鏡平山荘 10:46

 

8/29 鏡平山荘 6:00 - 秩父沢 7:44 - わさび平 8:54 - 新穂高温泉 10:13

 

 

朝からよく晴れた日だ。

モクモクと雲が湧き、青空に映える。これから数日の天気予報は良好で、ずらっと晴れマークが並んでいた。

初っ端から山々が出迎えてくれているようなそんな天気だ。

 

 

今にも壊れそうな傾いた橋を通過しつつ、長い長い小池新道をひたすらに歩く。平坦ではあるが長い。

 

徐々に登山道らしくなってくる足元にはゴロゴロとした岩が現れ始め、ああ、そう言えばこんな道だったなと4年前の事を思い出していた。

 

 

そして上りと下りでは同じ道でも辛さは違うもので、歩きながら頭の中では上りで地味に使いたくない道にエントリーされつつあった。

 

 

日差しは強いが、植物は相変わらず綺麗

 

 

イクラみたいな赤い実。美味しいのかな?

 

 

鏡平に到着。ここに来るまで暑くてだいぶ時間がかかってしまった。鏡池には槍が映っているようないないような…。

早速、休憩する事にする。

 

 

かき氷?はたまたコーヒーフロート?とかなり悩んだ結果、ラーメンにした。

塩分を欲していたのだ。汗をかいた身体に沁み渡り、とても美味しかった。(今回の山行中にこのラーメンを二杯食べた。)

 

 

鏡平を出発してからというもの、ずっと北アルプスの山々が見えていて大変いい眺めだった。

 

が、暑い。とにかく暑いのだ。

確かに晴れ予報で喜んではいたが、こんなに暑いのは話が違うじゃないか…もう少し曇ってもいいんだよと空に向かって投げかけてみるも、願いは届かなかった。

 

 

弓折乗越まで来た。私の記憶が正しければここからはそう距離はないはずだ、と思ったがそんな事はなかった。

昔の思い出はかなり美化されていたらしい。

 

 

どこか違う星にでも来たかのような広い場所。そして稜線に出るとやる気が湧いてくる。もう少しだ。

 

 

槍ヶ岳は道中ずっと見えていた。丹沢縦走でいう所の富士山のようなもので、雄大な山が隣で見守ってくれているような感覚だ。

 

 

山の中にある水辺はついつい見入ってしまう。

 

 

「見えた!」と思わず声が出てしまった。小屋の向こうには大きな大きな鷲羽岳。

人というのは不思議なもので、小屋が見えた途端に力が漲ってくる。

 

 

下界ではまだまだ夏だったが、山の上はもう秋の気配が。夏の草たちも少しづつ色を変え始めていた。

 

 

夕暮れに辺りを散歩してこの日はゆっくりと過ごした。

 

 

早朝、双六岳へ向かう。

 

 

山頂に向かう道は霧に包まれて真っ白であった。きっと上に着く頃には晴れるだろう、そう信じて山頂を目指す。

 

 

どれくらい登っただろうかと後ろを振り返ると、霧の中にぼんやりと日の出が広がって辺り一面オレンジ色になった。

 

 

オレンジの帯が弧を描き、山肌を覆っている。とても不思議で美しい光景だった。

 

 

稜線に出ると強風が吹き付けてきた。こんなに風が吹いているのに霧は一向に晴れない。本来なら素晴らしい滑走路のような稜線が見えるはずなのに…。

 

 

4年前もこの山域はこんな天気だった。

ただ、今回の方が幾分かマシだ。なんせ以前来た時は暴風雨だったのだから。一度、暴風雨を体験していると「あの時よりはマシ」という感情になれるので登山をする上で大変お得である。とは言えこの時の心境は紛れもない「無」だが。

 

あと、そもそも暴風雨の中を歩くという事が山行計画としてはいいとは言えないが、縦走中に遭遇してしまう事もある。

 

 

 

今回は黒部五郎まで行く予定を変更し、のんびり下山する事にした。

 

 

中腹まで戻ってくると風はピタッと止み、見渡すとバイケイソウの黄色く色づいた葉が綺麗だった。

 

 

小屋が見える所まで下ってきた。

 

 

小屋の前のベンチで頼んだお弁当を食べる。本当に美味しかった。もりもりとお弁当を食べているうちに辺りはすっかり晴れていた。

 

 

双六岳方面、快晴。

 

 

正に快晴。月まで出ているではないか。時間はあるのでもう一度登るか?とも思ったが、その気力はなかった。

 

 

小屋付近でも徐々に風が強くなりだし、テントがバサバサと音を立てる。水面や草が光って見惚れてしまった。

 

 

風が吹いて遠くからでも草が棚引いているのがわかる。ざざぁーっと、とても良い音がした。

水色と緑や黄緑、灰色に黄土色。おおらかな山容に勢いよく飛び込んでゴロゴロとしたくなる。

 

 

名残惜しいが下山だ。

 

 

再び鏡平に着いた時、槍が刺さって穴が開いたような雲が出ていた。変な形の雲だなぁ。