極東の島 サハリン 町歩き 前編 2019.8.9-13 

8/9 1日目

 

とんでもない暑さの中、成田空港に向かう。

「第一エアターミナルに14:50集合」となっていたのだが、心配症なので随分と前に到着してしまった。時間まではまだ随分と時間があるので空港内をウロウロしてみる。

 

案内板の16:50の所にはY-SAKHALINSKと書いてあった。Yはロシア語のЮ́жно(ユジノ)の頭文字のYでユジノは南、SAKHALINSKはСахали́нск(サハリンスク)でサハリンの事である。

ユジノサハリンスクはサハリン島の州都で別名は豊原だ。

 

 

16:20 いよいよ飛行機に乗り込む時間だ。

 

 

オーロラ航空の機内は、3列シート×2で天井上部から大量の冷気がシャーシャーと吹き出している。

 

 

搭乗手続きの時に係の人が立ちやすいように気を利かせて通路側にしてくれたのだが、窓の外の景色が気になって仕方がない。

2時間ほどのフライトだが外が見たくてたまらない。

何しろ、北海道を越えてその先の島に行くのだ。幾度となく地図で見続けてきた、行きたくて堪らなかった場所へやっと行けるのだから一目、島の姿が見たかった。

 

窓側に座るおじさんを羨ましく思いながらモヤモヤしていると、すぐに軽食の時間がやってきた。

とてつもなく美人のキャビンアテンダントさんが飲み物は何がいいかと聞いてくれる。

 

私「 Кофе,Пожалуйста.コーフェ  パジャールスタ(コーヒーをください)Молоко и сахар Пожалуйста. マラコー イ サーハル パジャールスタ」(ミルクとお砂糖もお願いします)

 

お姉さん「Да . ダー(オッケー)」

 

私「Спасибо. スパシーバ(ありがとう)」

 

 

通じた!!嬉しい。ラジオのロシア語講座をやっておいて良かったと心から思った瞬間である。

 

 

軽食はサンドイッチ、デニッシュのような甘いパン、カニカマが入ったサラダ、ピンク色の四角いケーキ。(アセロラのような味がした)

乗客の割合はロシア人と日本人が半々くらいだった。

 

日本時間16:50 成田発 - 19:50 ユジノサハリンスク着。現地時間に直すと21:50に空港に到着。

 

飛行機から降りた瞬間、物凄い冷気が。東京が暑すぎて半袖だったが、これを激しく後悔した。

 

入国審査は厳重な雰囲気で、私を含めて数人がうっかり航空職員の列へ並んでしまったがやってくれた。しかし審査官の表情は氷のように冷たいままだ。

「Спасибо. ありがとう。」と言ってもビクともしなかった。

そこを出ると警備員と共に大きなシェパードがいた。怖い。もうなんでも怖い。

 

やっと入国が出来、ロビーに出ると旅行会社の名前のボードを持った男性がいた。日本語ガイドのワレンティーノさんだ。

私が背負っているザックを見て「山ですかー?」と日本語で聞いてきたので、脳内では「はい、山に登る日本人です。」と答えたが、実際には緊張して「はい…」としか言えなかった。

 

 

 

今回利用したツアーは、女性1名、家族5名、私の計7名。ツアーと言ってもフリープランなので各自バラバラの行動である。

全員ホテルは同じなのでワゴン車に乗り込みホテルまで送迎してもらった。

 

宿までの車中で一人で来ていた女性と今回の旅についてお互いに話していると、ガイドさんがマカロフ出身という事を知る。

マカロフ(旧 知取町)は父の生まれた町だ。今回の旅の大きな目的の一つが「父の生まれた町に行く」だったので詳しい行き方を聞いてみるも、列車は運休中、長距離バスは一日一本のみで時間もかかり女性一人で行くのは危ないとの事だった。

 

事前にネットで色々調べてはいたのだが、ユジノサハリンスクについてはホテルもあり情報が沢山出てくるが、観光地でもない約200km北上するマカロフまでの行き方はほとんど載っていない。

ツアーのオプションで車と通訳さんを雇って日帰りで行く事も可能だったが予算的に厳しかった為、現地の人に聞いて自力で行ってみようと思っていたのだった。

何年か前に行かれた方のブログが一番の情報源なのだが、交通面はさほど変わっていないようである。

 

 

滞在するホテルはベルカホテルで木の温もりがある山小屋のような雰囲気。

夕食は各自との事だったので日本から持ってきた行動食のカロリーメイトを少しかじって就寝した。

 

8/10 2日目

 

 

ホテルのレストランで朝食をとる。

味は日本人向けになっているのか、とても美味しかった。個人的には黒いパンが酸味があって好きだった。

スープコーナーにはなんと味噌汁の鍋が置いてあり、つい手が伸びる。味噌汁って美味しい…。

 

 

今日は少し足を伸ばして港町のコルサコフ(大泊)に行ってみる事にした。距離にしてユジノサハリンスクから約50kmほどだ。

 

早速、散歩をしながらユジノサハリンスク駅の近くにあるバス乗り場へ向かう。

 

サハリンの街並みは近代的で綺麗な建物もあれば、何十年もそこにあるようなままの姿をしている家屋もある。また、壁の色が日本と比べてカラフルだ。

渡航前の注意事項で学校や病院、駅舎の内部などは撮影しない方が良いと書かれていたのでそれらは撮っていない。

 

右に道はあるが無駄に中を通過

 

 

駅近くの標識。

読める!ロシア語が読める…!!必死でキリル文字を勉強した成果が…と道端で一人感動していた。ほんの少しの事かもしれないが、地名が読めるだけでも安心感が違う。

 

・↑はバクザール 大きなターミナル駅の事だ。

・←コルサコフ 今日の目的地

・→ドリンスク 

 

ちなみにサハリンには英語表記はあまり無く、殆どがロシア語表記である。

 

 

程なくして駅の広場に到着したのだが、ここで所持金が全て1000ルーブル札である事に気づき、とても焦った。

なぜならサハリンの乗合バスは料金ピッタリか少額のお札でないとお釣りが無く、利用する際に困るとサハリンについてのサイトに書いてあったからだ。

 

ホテルを9時すぎに出たものの、このままではバスに乗れない。

とりあえず気持ちを落ち着かせる為にこの広場でウロウロした。

 

レーニン像を撮る

裏面

 

広場にいたスズメが日本に生息するスズメとほぼ同じだったので、気持ちを落ち着かせる事ができた。

検索して見つけた近くのカフェでお金をくずす事に。

 

カフェは駅から少し歩いた所にあった「メリーニッツァ」へ。開店してすぐだったからかお客さんは一人だった。

 

店員のおばちゃんはとても優しく、私のつたないロシア語にも付き合ってくれ、ニコニコと親切に教えてくれた。

注文したのはカプチーノとキノコのキッシュだ。

「サハリンのカフェに入ってロシア語で注文する」というミッション達成である。このカプチーノとキッシュが美味しかった事は言うまでもない。

 

店内

 

 

お金もくずせたので再び駅前へ。バス乗り場は駅の左側にある。珍しく英語でHAPPYと書れている看板があったが、全くハッピーな感じはしない…。

 

お洒落なレンガ

 

ユジノサハリンスク発着の長距離バスの時刻表。(2019年8月時点の情報です。現在は変更している可能性がありますのでご注意を。)

長距離の場合はこの中でチケットを買うらしい。

 

ホルムスク行き、ポロナイスク行き…とあるが、一番下 510系統 ユジノサハリンスク - マカロフと書かれている。15:50発の1日一本のみ。

ガイドのワレンティーノさんが言っていた通りだ。200km移動するという事は一体何時に着くんだろうか。

 

 

コルサコフは長距離ではないのでバスの中で直接払う方式だ。

ユジノ- コルサコフと書かれたバスが停車していたので、運転手さんに「コルサコフ?」と聞くと「ダー」と返ってきたのでこのバスであっているようだった。

しかしながら、料金を文字でみるのは理解できるが口頭で「〜ルーブルです」と言われると全くわからない。

大体これくらい?と困りながら渡すとお釣りを返してくれた。

 

 

 

一番後ろの窓際に座ることにした。バスの乗車時間は50分ほどだ。バス停に停車するごとに乗客が乗り降りしていく。

おじさん、楽しそうな女の子達、軍人さんやおばちゃん。

 

 

 

ガタゴトとバスが揺れる。道路が舗装されていない場所も沢山あったので自分もバウンドする。

町を抜け、しばらく走っていると車窓から見える景色は次第にのどかな風景に変わってきた。

 

 

最後の停留所、コルサコフに着く頃には乗客はおじさんと私だけだった。

 

さて、コルサコフに着いたはいいがあまり調べていなかったのでとりあえず町を歩いてみる事にした。バス停がある場所は町の中心部なんだろうか。

 

絵や写真があると何のお店かが分かるので有難い。

降車したバス停

 

 

中心地のお店は後で見るとして、散策開始だ。

 

 

絵本にでも出てきそうな可愛らしい色合いの家が立ち並び、川沿いでは小学生くらいの男の子たちがはしゃいでいた。

 

 

お店なのか家なのか全く不明だが、かなり年季の入った壁。ユジノサハリンスクに比べると少し家屋の風化が激しい気がする。潮風のせいだろうか。

 

川の水は特に綺麗ではない。

 

 

所々日本の田舎町に似ているような場所もあれば、やはりよく見ると違っていて面白かった。

 

 

ベンチで見つけた変なキャラクターの落書き。君はドラえもんの系統とみた。

 

 

坂道を上っていくとさっきよりも特徴的な建物が立ち並ぶ。

窓際に植えられているのは、私の好きなナスタチュームの花だった。日本でも園芸種として流通しているが、花の時期はとうに過ぎている。

やはりサハリンは涼しいからかこの後も所々に植えられているのを見た。

 

なんだか意味ありげなマーク。一気にロシア感。

 

 

バス停にあったゴミ箱?その横に赤いバラが置いてあってなんだか意味深である。

 

コルサコフさんの像

 

港にも行きたかったが、立ち入り禁止で入る事は出来なかった。

町の中心へと戻り、文房具やおもちゃなどが売っているお店で、小学生用と思われる虫の本、目玉がキョロキョロする変な絵本、文房具を買った。

 

 

 

休憩がてらカフェにでも入るかとも思ったが、慣れない町を一人散策するのは思っていた以上に神経を使っており、だいぶ満足もしたのでユジノへ帰る事にした。

 

行きで降りたバス停まで戻ったは良いものの、ユジノサハリンスク行きという文字がない。

とりあえず反対側のバス停に向かう。多分ここかなぁと張り紙を確認するもボロボロの時刻表らしきものしかない。

困った、と立ち尽くしていると優しそうな女の子がいた。

「このバス停、ユジノ?ユジノ?」とバス停を指差しながら聞いてみるが首を傾げる。

 

Google翻訳のロシア語で同じように聞いても、「んんー???」となる。何か伝えようと言ってくれているのだが私には聞き取れない。

何やら携帯で調べてくれていたようで、「ズジェーシ、ズジェーシ」と言った。

「ズジェーシ」とは「ここ」という意味だ。知っているぞ!これもロシア語ラジオ講座の初めの方で出てくる単語である。

私も「オー!ユジノ、ズジェーシ?」と聞くと「ダー ダー(そうそう)」と返ってきた。そんなやりとりをしていると女の子の乗るバスがやってきて彼女は乗り込んで行った。

 

その後少し待っているとユジノサハリンスク- コルサコフと書かれたバスがやってきた。ありがとう可愛い女の子。

バスに乗り、無事にユジノサハリンスクのターミナルまで戻ることが出来た。この日は、大冒険でもしたかのような一日だった。

 

 

 

 

後編へ続く