快晴の日。箱根の山、矢倉岳へ。
箱根登山鉄道に乗って大雄山駅へ。近場とはいえ、ちょっとした旅行気分である。
駅からバスに乗り換えて地蔵堂で下車した。
地蔵堂から矢倉岳までは標高差400mほど。あっさりしてるのにも関わらず、山頂からの景色が素晴らしい山だった。
【コースタイム】
地蔵堂 10:15 - 矢倉岳山頂 12:05 - 13:12 - 山伏平 13:30 - 聖天堂 15:00頃 (その後は足柄温泉へ下山)

バス停から少し行ったところに川があり、そこを渡ると茶畑が広がっている。
見上げると黄色く色付いた葉に出迎えられた。

ここからは延々と樹林帯が続くのだが、山頂まで1時間弱なので、そんなに苦ではない。



開けた場所からは半分以上が植林された緑と、その合間合間に紅葉した木々。

黄金色。光が当たって綺麗だ。

標高が上がるにつれて、道に差し込む光の量が増え始める。

山伏平に到着。 ここまで来れば山頂はもうすぐだ。
そして、樹林帯を抜け徐々に植生も変化してきた。背の高い木はなくなり、太陽の温かい光が枯葉の道に降り注ぐ。

カサカサと落ち葉を踏みながら、細い坂道を上っていく。

振り返ると富士山が大きく見えたのだった。
山頂はもうすぐそこだろうか。


山頂に到着。
矢倉岳は標高が870mと低いので、この眺望が見られるとは思わなかった。

どっしりとして立派な富士山。丹沢で見るより数倍大きく麓までしっかり見えている。
そして、この天気の良さ。富士山日和とはこの事よ。

富士山を右手にして正面には、箱根の湯けむりがモクモクと上がっていく。


左には、相模湾と遠くには江ノ島が見えた。

空気は澄んで、秋と言うよりももう冬の始まりのようだった。
ススキの穂は綿毛も少なくなりもう冬支度といった装い。ゆらゆらと風に揺れて、光っている。

晴れていたのでそこまで寒くはなかったが、立ち止まっているとやはり寒い。
お湯を沸かして一息つく事にした。

それにしても、この山頂は眺望が良すぎる。
低山でこれだけの眺めが堪能出来る山はなかなかないだろう。海も富士山も堪能して大満足だった。


ススキが綺麗だ。


矢倉岳はこんもりとした優しい山だった。


最後に自作の短歌を。
風走る 白きススキ野 山越えて
たなびく穂から 冬が見えゆく
季節はもう冬だ。また箱根の山に来たいと思う。