5月、GWに北アルプスの涸沢に行ってきました。
見上げた先にあった穂高の山々は格好が良いなんてのは飛び越えて、ただただ、その存在感に圧倒されてしまいました。
また、この山行からフィルムカメラを使用して記録しています。
カメラの技術的には相当未熟ですので、少々お見苦しい箇所があるかと思いますが、生暖かい目で見てやってください…。
行程は以下の通り。
5/3 上高地〜徳沢キャンプ場
5/4 徳沢キャンプ場〜涸沢
5/5 涸沢〜小梨平キャンプ場
5/6 上高地〜新宿
最終日のみ大雨に見舞われてしまいましたが、その他の日は全て晴れでした。
5/3(水)
朝7時。新宿から上高地までの直通バス、おなじみの毎日アルペン号に乗り込みました。
本来ならば、12時過ぎには上高地に着く予定だったのですが、世間はGW真っ只中。行楽地へ向かう渋滞と事故の影響により、上高地に着いたのは16時でした。
準備をして、とにかく徳沢キャンプ場へ向かいます。
なんとか徳沢園のお風呂の時間に間に合いましたが、初日はバタバタして終了となりました。
5/4(木)
いよいよ涸沢へ向けて出発です。
歩き出してしばらくすると、雪をかぶった山が見えてきました。枯れ木と新緑と岩壁に残る雪。空には雲ひとつありません。
行く先の風景は素晴らしいけれど、あんなに雪が残っていて大丈夫なのか…と期待と不安が入り混じります。
淡い水色の梓川を渡り、徐々に道は登山道らしく狭くなっていきます。
森の中の道は石と雪のミックス、日当たりのいいところではぬかるんでいました。
森を抜け、いよいよ雪の上に。
今回はキャンプと雪上での歩行訓練も兼ねていたので、意識しながら登って行きます。
それにしても雪の照り返しが凄まじい。サングラスをしていなければ眩しすぎて歩けませんでした。
慣れない雪道に息が上がります。
だいぶ登ってきた…と思いきやまだまだ先は長かった。振り返ると来た道が遠くなっていました。
まだまだ登りは続きます。
予想外だったのは、とても暑かったこと。雪の上にいるので止まっていれば寒いのですが、この天気のおかげで気温はグングン上昇しているようです。
道の脇に小規模雪崩の痕跡があったりしたので、崖の上部から時々雪が崩れ落ちてザザーッという音がした時は雪崩かと思い、びっくりしました。
お昼に差し掛かり、少し雲が出てきましたが暑いのには変わりありません…。
13時過ぎ、最後の急坂を登りきり、ついに涸沢カールに到着しました。 テントの受付を済ませ、場所を探して整地作業に取りかかる。
ドサッと置かれたザック。75ℓのザックはパンパンで、自分でもよくここまで担いでこれたな…と思いました。
(テント装備は同行者が持ってきてくれていたので、食料や寝袋など自分の物のみが入っています。)
今後、自分でテントを背負う事を考えると、パッキングや荷物の見直しなどまだまだ課題は山積みであります。
テントを張り終え、目の前の景色を見渡すと壮大な山脈たちがそこらじゅうに鎮座しています。
改めて、すごい所に来たもんだ…。
到着したのが13時過ぎと遅く、お腹がぺこぺこだったので遅めのお昼にすることに。
何を持っていけば良いか、いまいち分からなかったので色々な食料を持ってきてしまいました。
とりあえず、お昼はがっつり。パスタ用のトマトペーストと、カレー粉、魚肉ソーセージ、乾燥ほうれん草でトマトカレーです。
(カレーの写真だけiPhone。)
見た目はどうあれ、味はとても美味しかったです。
お腹もいっぱいになったので、ゆっくり周囲を散策します。
涸沢ヒュッテのテラスはビール片手にみなさん上機嫌で、売店もとても賑わっていました。
どこを見ても、息を飲む光景が広がっている。
「おぉ……。」や「うわぁ……!」という感嘆の言葉しか出てきません。
もくもくと雲が沸き立ち、その迫力は一層増していく気がしました。
小さく見える黒い点は登っていく人達です。あんな所に向かっていくなんて本当にすごいなぁ…。今の私の技術では遠くから眺めることしか出来ません。
そんな事を思いながら歩いて、テン場が一望できる所から一枚。 カラフルなテントたちと、向こうに見えるは涸沢小屋です。
吹き流しが風に揺れています。本当にここは日本か。
…鯉のぼりがいたので、日本でした。
下界では考えられない鯉のぼりの風景です。
雪はザクザクとシャーベット状。
徐々に日が傾いてきます。
テン場全体が陰り始めすと、気温が一気に下がり始めました。
こんな雪の中でキャンプするのは、もちろん初めての事なので、一体、夜はどれだけ冷え込むんだろうか…と少し不安になってきました。
夜が来ました。
外に出るとキーンと冷えた空気が立ち込めていましたが、風はなく、ダウンを着ていれば大丈夫でした。
就寝時はダウンを着込み、化繊の冬用シュラフを使用しました。足先が少し冷えましたが許容範囲といった感じ。
5/5(金)
朝。本日も快晴です。ほんのりモルゲンロートが見れました。
気温が上がる前に、みなさん続々とアタックしていきます。
私はというと、「ああ、あんなに上の方まで…」と憧れと尊敬の思いで、下からそれを見ていました。
そして、この刻々と変化していく風景はいくら見ていても飽きません。
色とりどりのテントや、険しく切り立った山々、真っ白い沢山の雪。
太陽も昇りきり、朝食の時間です。
あぁ、素晴らしきかな、なめこ汁。
山になめこを持っていくという発想がなかった私にはなかなかの衝撃でしたが、えも言われぬ美味しさ!
作り方は、インスタントの卵スープに生のなめこをそのまま投入するだけです。
多分ここにうどんとか入れても絶品だったのではないでしょうか…。今度山でやってみよう。
更に、この日下山する為、持っている食材は行動食を除いて食べてしまおうという事になり、朝から超満腹に。ゲフゥ…。
さぁ、そろそろ下山しなくては。
なんだか寂しい気持ちと、傾斜が付いた雪道を下らなくてはならないという恐怖が押し寄せてきましたが、アドバイスを貰いながらなんとか無事に下山する事が出来ました。
横尾にあった鯉のぼりを見て一安心。全然風がなくて、泳げていませんでしたが…。
ここまで戻ってきました。
この辺まで来ると、足が棒の様でガクガクでした。行きとは違う散策コースで上高地方面へ。
沢山の雪解け水が流れ込んできます。さっきまでいた山の上からはるばる流れてきたのか…。
ゆったりと休んでいる鴨。
その奥へ広がる森も関東のそれとは雰囲気が違います。
この日に東京へ帰る予定でしたが、疲れていた為か途中から速度が上がらず、バスの時間が迫ってきていました。
一応予備日としてもう1日取っていたので、小梨平キャンプ場でもう一泊する事に。
写真などは撮っていませんが、小梨平キャンプ場はとても過ごし易い所でした。
まずお風呂があり、それだけでも嬉しいのに売店にはなんでもあるのです。そして夕飯に食べた食堂の山賊焼きがめちゃくちゃ美味しかった!
無類の鶏肉好きである私は、山の麓で狂喜乱舞したのでした。